マラソン界を変えたナイキのランニングシューズ

マラソン

現時点でランニングシューズ界のトップにいるのはナイキで間違いないでしょう。
トップランナーが拍手―スは薄く軽いという常識を覆し、厚底ブームをうみだしました。
2019年にはナイキの厚底シューズを履いたケニアのエリウド・キプチョゲが非公認レースながらフルマラソンで2時間を切る1時間59分40秒でゴールしています。
また、日本人選手の大迫傑選手もナイキの厚底シューズで2時間5分29秒の日本史記録を2021年3月に樹立しました。
トラックレースでも同様のシューズを履いた選手が新記録を出しますが、世界陸連のルール変更によって制限される事態になるほどです。

ランニングシューズの常識を変えたズームX

そもそもはトップランナーが履くシューズは薄くて軽いが常識でした。しかし、薄底は反発性が高いのですが、クッション性が低いため脚へのダメージが大きいというデメリットがあります。
一方、厚底にするとクッション性は上がりますが、重くなるというデメリットがありましたが、ナイキは柔らかくて高反発のズームXというソールを開発しました。
ズームXは反発性とクッション性が両立しており、このズームXとカーボンプレートを使用した厚底シューズ「ヴェイパーフライ」を完成させます。
そして、最新のアルファフライはヴェイパーフライを発展させたモデルで、前足部にズームエアポッドというエアユニットを搭載しました。

ランナーの走り方も変化

厚底シューズの機能を最大限に発揮するには走り方重要で、フォアフット走法でないとその能力を発揮できないといわれています。
つま先から着地するフォアフット走法はマラソン界で記録を残しているケニアやエチオピアの選手に多く見られる走法です。
衝撃を分散し、疲れにくい走り方といわれ、スピード向上にもつながります。しかし、ふくらはぎやアキレス腱に大きな負担がかかるとされています。
また、日本人の多くはかかとから着地するヒールストライク走法が一般的です。初心者向けのランニングシューズはかかとから衝撃を吸収するモデルが多いのはそのためです。
ヒールストライク走法はスピード面で不利といわれており、ヴェイパーフライはヒールストライク走法だと厚底シューズの恩恵を受けにくくなっています。
後継モデルのアルファフライは、ソールに踵を着きにくい構造になっていて、自然とフォアフット走法になるようになりました。
踵をつけて走ろうとすると走りにくいつくりになっているのが特徴です。

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