バドミントンのスマッシュの初速は時速493kmにもなります。この記録を打ち出したのはマレーシアのタン・ブンホン選手でギネス記録に認定されています。
初速のため、相手コートへ到達すまでに、少しずつスピードは落ちていくとはいえ、驚異的なスピードです。
このようなスピードで打ち込まれるスマッシュに対応できるバドミントン選手はすごいですね。
スピードのあるスマッシュを打つコツ
スピードのあるスマッシュを打つには、いかにシャトルに体重を乗せるかです。下半身から上半身に、腕からラケットへと体重をいかに伝えていくかがコツになります。
だからといって、力いっぱい打とうとしてはいけません。力はラケットがシャトルに触れる瞬間に入れるだけで十分です。
ですので、スマッシュを打つときは、打つ瞬間以外は力を抜き、打つ瞬間だけ力を込めるようにしましょう。そうするとラケットスピードが上がり、スマッシュのスピードも上がるはずです。
もう一つは打点になります。打点とはシャトルを打つ位置のことで、スマッシュの場合、体の軸より前方にして打つことが大切です。
そうすることで打つときのラケットの面が前下方を向くので、シャトルは相手のコートに向かって飛んでいくのです。
スピードだけでは勝てないバドミントン
タン・ブンホン選手のギネス記録は測定のために速いスマッシュが打ちやすい状態で計測しているので、試合中のスマッシュは時速300kmくらいと考えていいでしょう。
バドミントンに使われるシャトル(羽)は打たれた後、空気抵抗によって大きく減速しています。相手選手が打ち返すときにはかなり、失速していて実際に手元に来るときは時速50km程度に落ちています。
しかし、バドミントンのコートの大きさから考えると、コートの一番奥から打たれたとしても相手に届くスピードは何と0.3秒。
したがって、スマッシュで飛んでくるシャトルを見てから反応するのは、トップ選手であっても不可能です。
どのように反応しているのかというと、相手のスマッシュを打つフォームから脳が判断して飛んでくるコースや速度を予測していることになります。
スマッシュが決め球にはならない
バドミントンではいくら速いスマッシュが打てても、それだけでは決め球になりません。ある程度のレベルになると速いだけのスマッシュを打ち返せる選手はたくさんいます。
スマッシュは相手の姿勢を崩すことで、精度を下げる狙いがあるのです。バドミントンにおけるスマッシュは、自分が有利にゲームを進めるための一つの手段になります。