ティラノサウルスの歩行速度について
恐竜といえばティラノサウルス。恐竜最大の知名度を誇りますが、研究が進むにつれて外観やスペックが何度も変わってしまう恐竜でもあります。
映画ジュラシックパークでは車で逃げる観光客を追いかけるシーンがありますが、現在の研究ではそこまでのスピードはないとされています。
古くは時速16kmから40km程度で移動すると考えられていましたが、2017年に論文によるとティラノサウルスの骨格で時速19km以上を走ると骨が粉々になると発表されました。
そのため、早歩きで獲物を取っていたのではないかとされています。
2021年に発表された論文によると、早歩きもできるだけしなかったようです。研究者によると歩行速度は時速4.8kmと人の平均歩行速度より若干遅いくらいだそうです。
ティラノサウルスは尾で歩行していた
ティラノサウルスの歩行速度は化石の歩幅から時速11kmと推測されていました。
しかし、研究者は足だけではなく、歩く時の尾にも着目します。
尾が上がると、尾のじん帯が脚の後方を引っ張ってエネルギーを蓄え、尾が下がるとエネルギーが放出される仕組みで、これを繰り返すことで前に進みます。
骨格標本をもとにシミュレーションしたところ、時速4.8kmが最適な速度でした。
しかし、計算にはまだ不十分なところがあるとされ、歩行速度はまた変わるかもしれません。
ティラノサウルスは群れで狩りをしていた?
2021年に発表された論文によるとティラノサウルスは個別ではなく群れで狩りをしていたという証拠が見つかったそうです。
今までのティラノサウルスは脳が大きくないため、群れで協力し合うほど頭が良くなかったとされていました。
スピードも速くないため、狩りではなく死肉をあさっていたという説もあります。
しかし、ユタ州のグランド・ステアケース・エスカランテ国定公園で発見された化石が4、5頭のティラノサウルスが群れで狩りをしていた後ではないかということでした。